失業・リストラ・転職

夫婦同時倒産。神様は乗り越えられない試練は与えない話

坂田基地子さん(女性・39代女性)

「神様は、乗り越えられない試練は与えない。」

この言葉は、あるドラマの中のせりふだが、私はとても好きな言葉だ。

不安になった時、落ち込んだ時、どん底に陥った時、この言葉を思い出せば、乗り越える強さが出てくると思う。

つらい思いいているのは。

あなただけじゃないよ。

乗り越えられる試練しかないんだから。

乗り越えれるはずだ。

そう自分に言い聞かせて、人生の次々に起こる試練を乗り越えていけたらいいね。

夫婦に与えられた試練。それを乗り越えるまで

20世紀末、ITバブル前の“超就職氷河期”に入社

私たちの就職(90年代後半)は、氷河期時代といわれていた。夫婦そろって、自分の尽きたかった仕事に就くことができず、滑り止めに受けたスーパーで内定を受ける。

私のほうが2年先に入社し、後から入社した旦那さんと出会うことになる。

この就職で唯一よかったことといえば、生涯のパートナーを見つけられたことぐらいだ。

それ以外は、自分のしたかった仕事でないため、どうしてもやる気が起こらず、仕事に行くのがつらくなっていった。

私は、結局入社後3年持たなかった。

すぐ事務の仕事に就いた。

その後結婚することになるのだが、一人目の子供がおなかにいる時に旦那さんがうつ病になって、泣きながら出社していたためやめるように説得した。

そして、旦那さんも退職し、一人目が生まれた後に再就職をする。

妊娠時にリーマンショック。会社倒産の危機、そして民事再生

ちょうど二人目を妊娠したころ、日本経済はリーマンショックという言葉が飛び交っていた。

すんでいる地域の大きな会社もどんどん倒産して行った。

そして、私が妊娠前に会社が民事再生をしてしまう。

優秀な人材は、すぐに退職届を出して、去っていってしまった。

私は、子供におなかがいたため、出産することを優先して考え、成り行きに任せるしかなかった。

出産後、会社から連絡が来た。

「7月末か8月末で会社をやめてほしい」という内容の電話だった。

産休中、育児休暇中の人はリストラの対象に真っ先に入ったみたいだった。

親会社も決まり、9月から新会社を立ち上げるための250人ものリストラをすることになったというのだった。

私は、生まれたばかりの赤ちゃんを連れて仕事にいけないため、退職を了承した。

その数日後だった。

旦那さんが「うちの会社ややばいかもしれない。倒産するかも」といってきたのだ。

その数日後、後にも先にも笑い話のようだ。正社員の夫婦が同時に倒産解雇されてしまうなんて。

旦那さんの家族と同居、人生の退避

実際は、笑い話にならずに、二人ともにあせり、不安になりながらもいろんな事務手続きに追われる毎日になる。

私はプラス赤ちゃんの育児も重なり、かなりのプレッシャーになった。

結婚後、旦那さんの両親と同居していたことがとても助かった。

金銭面においても、かなり支えてもらったし、何より二人きりで迷いの森に入らなくてすんだことだ。

旦那さんが再就職するまで、私たち家族は、義父の扶養に入ることで支出をかなり抑えることができた。

健康保険証も扶養に入り、かなり助かった。

結婚当初は嫌だった同居が、こんなに助けてもらえることになるなんて本当に人生は何が起こるかわからない。

今その後、私も旦那さんも無事再就職

旦那さんは当時30歳ぐらいだった。

再就職先を探せない年ではないが、やっぱりあせっていた。

その時、私の実家の父が自分の働いている会社に契約社員の募集があることを教えてくれた。

旦那さんは、その会社を受けることになり、失業後3ヵ月後には働くことができた。

あの時、父が声をかけてくれていなかったら、今正社員として働いている旦那さんが存在していないので、感謝してもしきれない。

本当にありがとう。

私も上の子供が幼稚園の年中になる年に働きに行くことを決意する。

幼稚園で預かり保育がはじまり、働きやすくなるからだ。

私は、まず午前中だけの製造業として働き始めた。

義母もいたが全部を負かすことはできないので、自分が負担にならない働き方をし始めた。

4年間続けられた。

その後、下の子供が小学生になるのにあわせて、フルタイムで働くことに挑戦した。

だが、入学したての子供にとって学童保育に行くつらさ、疲れを私は、見逃すことができなかった。

今はパートタイムとして働いている。

厳密に言えば働いていた。

今月で、退職する予定だ。

今の仕事は、2年になりますが、ずっと働いていく自信が持てず、体調も崩したため退職するが、二人そろって一度は就職できたことはとても良かった。

夫婦、同時会社倒産を経験して、乗り越えて今伝えたいこと

少々のことでは、びっくりしなくなった気がする。

夫婦そろって、会社が同じ日に倒産になったというと必ずみんなビックりした

そして今は、どうしているのかと。

二人ともが会社を解雇になった時は、これからの不安しか頭によぎらなかったが、ひとつひとつ解決していくごとに前向きに行動できるようになった。

気は持ちようというけれど、本当のことなんだなと思った。

リーマンショックの後、さまざまな会社が倒産し、ハローワークに人があふれた。

同じような体験体験をした人が、世の中にはたくさんいるんではないだろうか。

同じような経験をしている人へ

自分に何か悪いことがおきた時必ずといっていいほど、自分だけが不幸な目にあっている。

自分だけが、自分だけがと考え立ちだ。

実際、私たち夫婦もそうだったし、人間なら当たり前なのかもしれない。

そこから、自分はダメなんだと考えず、こうしたらうまくいくんではないかと考えられるようになったら、一つ上のステージのもの考え方をできるようになったのではないかと思う。

私は、低迷していた時にも幸運にも家族に助けてもらうことができた。今の生活があるのは家族のおかげである。

旦那さんの就職先を心配いてくれた実家の父、扶養にいれることをしてくれた義父。

赤ちゃんの面倒を見てくれた同居していた家族。

私が就職した後もサポートしてくれた義母。

人は、いろんな人に支えられて生きている。

どん底の時は一人だとばかり思い込んでいたが、思い返せばたくさんの人に助けられていた。

私は、昔から人付き合いが上手なほうではないと思っている。

だから、窮地に落ちいったときに、助けてくれる人がいることがとてもありがたい。

つらい出来事が起こると深刻に考えてしまうが、考えすぎてしまうのも危険だ。

あの時生まれた子供も8歳になる。

8年経って、やっとあの出来事も乗り越えられる試練として与えられたものと考えてはどうかとも思うようになった。

「神様は、乗り越えられない試練は与えない。」

この言葉は、あるドラマの中のせりふだが、私はとても好きな言葉だ。

不安になった時、落ち込んだ時、どん底に陥った時、この言葉を思い出せば、乗り越える強さが出てくると思う。

乗り越えられる試練しかないんだから。

乗り越えれるはずだ。

そう自分に言い聞かせて、人生の次々に起こる試練を乗り越えていけたら。

私は、また失業します。

今回は、体調不良とうつ病が重なってしまった。

明日が来るのが怖い時もあったが、今はだいぶん前向きに物事を捉えられるようになってきた。

これも乗り越えられる試練と考えて、次の仕事を見つけられた時、私はまた成長した私になっているはずだ。

そう考えて、今の状況をできるだけ前向きにとらえて考えたい。

不安なことを考え出すときりが無い。

楽しいことを考えたほうが気持ちが上がり、やる気もおきてくる。

家族を大切にして、してもらった恩は返せるようにしっかりと自分の人生を見直し、自分のやりたいことは何かを前向きに考えることが大切です。