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このサイトでは、様々な法律相談にカウンセリングしていく花園弁護士のお話を掲載しています。
今回は、夫の借金を理由に離婚できるかという相談です。
はたして、夫の借金が発覚したという理由だけで離婚できるのでしょうか?
花園弁護士が懇切に解説しています。
Contents
夫の借金を理由に離婚したい!花園法律事務所の扉
配偶者の一方に多額の借金があると発覚したので、これを理由に離婚したいとおっしゃる方はいらいしゃいませんか。
一方の配偶者が自分だけのために多額の借財を残したときには、他方の配偶者の立場はどうなるのでしょうか。
弁護士をはさんで配偶者間で協議して離婚すべきか。
それとも弁護士に依頼して調停離婚または裁判離婚すべきか。
このページではこんな疑問について解説していきます。
夫の借金を背負いたくない!
私たち夫婦は結婚以来、これといったトラブルもなく、郊外の新築住宅で、平穏で幸せに暮らしてきました。
ところが、靖国神社の境内で今年になって初めて桜が開いたというその日の午後、一通の書留郵便が配達されてきました。内容証明郵便でした。
夫はカメラマンとして海外に出張していました。
私は、書留郵便を開封してみて、腰が抜けるほどびっくり仰天でした。
カードローン会社からの督促状で、1,500万円を1か月以内に返済せよと催促していました。
わたしは、暴力で取り立てられるかもしれないという怖さで、実家に逃げ込みました。
膨大な夫の借金を背負い込みたくはありません。
この苦境から逃れるために、一刻も早く、離婚したいと考えています。
上手に離婚するにはどうしたらよいでしょうか。
■花園弁護士のカウンセリングは!
それではまず、配偶者間で協議して離婚すべきか。
それとも弁護士に依頼して調停離婚または裁判離婚すべきか、という順番で解説してみましょう。
借金まみれの夫と協議離婚できるか
まず配偶者間の協議によって離婚できるか考えてみましょう。
このケースでは、配偶者双方が納得して離婚するのですから、離婚理由は問われません。
しかし実際には、借金を抱えた一方の配偶者は、離婚に同意しないケースが多いので、
弁護士を呼び寄せ、離婚の協議に参加してもらい、弁護士をはさんで協議するのがよいでしょう。
弁護士には、離婚に反対する配偶者を説得する力があります。
調停離婚はどうか
しかし配偶者間の協議が困難だったので、弁護士を呼んで何度も協議したが、それでも離婚の協議が成立しなかったときにはどうすべきでしょうか。
考えられるのが、家庭裁判所の力を借りる対処法です。
そうなれば家庭裁判所の力を借りて離婚するのですから、家庭裁判所に調停の申し立てをし、調停の席で離婚の協議をすることになります。
弁護士である私に依頼すれば、申立書を作成して家庭裁判所に提出します。
すると家庭裁判所から調停期日の通知が来ますから、ご夫妻と私がその期日に出頭して、家庭裁判所調停室で調停委員を交えて離婚の協議をしましょう。
当事者だけでなく弁護士が同席するほうが、調停委員からも歓迎されます。
弁護士なら、離婚後の専門的な法律関係の説明をしなくても、協議をすすめられるからです。
この協議では、
- 離婚後の財産分与
- 離婚による慰謝料
- 子供の養育費・教育費
- 離婚後の生活費をどうするか
などを話し合います。
調停室での協議によって配偶者双方の合意があれば、調停離婚が成立します。
借金まみれの夫と裁判離婚はできるか
調停によっても協議が成立しないケースでは、最後の手段として、裁判離婚に頼るしかありません。
そこで民法の身分関係にエリアで定められている「離婚事由」に該当すれば、配偶者一方の借金を理由に離婚することができます。
その民法の規定では、
- 配偶者の一方に不貞行為があったとき、
- 悪意で遺棄されたとき、
- 3年以上も生死不明のとき、
- 強度の精神病となり回復の見込みがないとき、
- 婚姻を継続し難い重大な事由があつたとき、
などが「法定の離婚事由」とされています。
そうすると「借金を理由に離婚できるか」については、明文の規定がありません。
そうだとすれば配偶者の一方が借金をしたという理由だけでは、離婚することはできないようにも考えられます。
しかし借金を返済できる見込みがないのに、
無計画で借り入れを重ねたことによって家計が破綻し、夫婦関係が悪化した状態となり、
その結果、まともな配偶者関係が修復できないほどに壊れてしまった状態であれば、
離婚できる可能性が残ります。
このようなシチュエーションになれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたると判断される可能性が高いからです。
ただ、夫婦関係はいまだ破綻しているとは言えないケースも考えられます。
たとえば借金のうち債務整理が可能な場合で、配偶者が弁護士などに債務整理を依頼して、経済的に更生するとともに借金を重ねたとについて深く反省しているような事情が認定されるケースです。
「まともな配偶者関係を修復できる」という理由で、離婚が認められないケースも想定されましょう。
いずれにしても法定の離婚事由としての「婚姻を継続することができない重大な事由」にあてはまるかどうかの判断は、法的にもディリケートな判断でしょう。
ですから法律の専門家でなければ、正当な判断はむりといえましょう。
そうだとすれば離婚訴訟で勝訴できるかは断言できません。
この難しい判断は、法律のプロである弁護士に相談するようおすすめします。
夫の借金債務整理の運命は
これまで見てきた結果として、配偶者の一方に多額の借金がある事実が判明したとき、他方の配偶者は離婚できるかは、配偶者関係の個別的な事情によって異なることがわかってきました。
そこでこれらの情報を活かして、
- 弁護士をはさんで協議離婚すべきか、
- それとも家庭裁判所の力を借りるために、
- 家庭裁判所に対して離婚調停の申し立てをして「調停離婚」に持ち込むか、
- それでも調停が成立しないときは、裁判離婚にまですすむか、
その段階ごとの選択肢があると判明しました。
借金まみれの夫との問題を解決し、芳醇な人生を!
これら選択肢のうちからお選びになって、弁護士に事件の処理に関する依頼すれば引き受けられます。
事件を早く解決して、芳醇な人生をお過ごしされるようおすすめします。
フジタ
法律事務所勤務を経て、法律研究所を設立。司法試験の受験を指導、多数の合格者を輩出してきた。
法律とともに、心理学の専門家でもある。