野々村菜々子さん(女性・20代前半)
私が高校2年生の時の恋愛話である。
私は彼にあった時、思わず2度見をした。
その彼はブラジルの血が入ったクォーターで、高身長のイケメンであった。
彼とは数ヶ月後に付き合うことになったのだが、たった3ヶ月で別れてしまう。
私はその恋をずっと引きずっていた。
なんとその彼と数年後に再開を果たす。
彼には彼女と子供もいたが会うことになった。
その相談をもっとちゃんと聞いてあげられてたら、今のようなことにはなっていなかったかもしれない。
あの時、重たいことを言わなければまた彼の笑顔を見れたかもしれない。
なぜ彼がいなくなったのかハッキリと分からないが、私の中の後悔は消えないのであろう。
だが、私は今を見つめて彼の分も笑おうと決めた。
後悔は消えない、彼との出会いと別れ
彼との出会い
彼と出会ったのは、私が高校1年生の時である。
バイトの面接に行った日の帰りに彼はその店にいた。
(以降彼のことは、K君とする)
その恋は私の一目惚れから始まったのだ。
私は、当時流行っていたブログをやっていたのだが、K君もそのブログにいたのである。
私はすぐにK君に友達承認を送った。
私からK君にたくさん連絡をして、しばらく連絡を取った後に、会ったことがなかったのだが付き合うことになった。
付き合うことが決まってから少しずつ会うようになったのである。
私はとても幸せだった。
K君の家にも行き、K君の家族にも会った。
K君が彼女を家族に紹介したのは、私が初めてだという。
このままずっと付き合えたらいいなと思っていたのだが、その3か月後に別れがきた。
振られた理由は、「好きじゃなくなった」という理由だった。
腑に落ちなかったが、別れの時でさえ、嫌われたくないからという理由で、別れることを決意した。
私はとても悲しかった。
未練タラタラというやつである。
友達にもたくさん相談し、復縁を申し込んだことがあったが、断られた。
もうダメなんだと私は思っていたが、どうしても諦められなかった。
K君と一緒に行ったところに行くと、K君がいないかとどれだけ探したことだろう。
ある日、K君と偶然会った日があった。
だが、その時間はとても短く、少し話をしてすぐに帰ってしまった。
私は恥ずかしくてほとんど目を見れなかったが、K君の背中だけはしっかり見ていたことを今でも覚えている。
その数ヶ月後。
K君には新しい彼女ができた。
どうせすぐ別れるだろうとどこか少し期待していた。
友達には「K君が幸せになってくれればいいよ」なんて綺麗事をどれだけ吐いただろう。
その新しい彼女とK君は、数週間後に別れた。
心の底でガッツポーズをした。
別れたからといって、私とよりを戻してくれる希望なんてどこにもないのだが。
私が高校2年生になったある日のこと。
K君から突然連絡があった。
大した用はなかったのだが、なんでもない雑談をやりとりするのがとても楽しかったのを覚えている。
私のバイト先にもちょくちょく顔を出してくれた。
でも私はその数ヶ月後にバイトを辞めた。
そのままあまり連絡を取らなくなり、K君にもまた新しい彼女もできた。
そして私は高校を卒業した。
高校を卒業してからの私の恋
高校を卒業し、私は大学にもいかず、就職もせずにフリーターの道を選んだ。
もともと保育士を目指していたのだが、学力もなく、ピアノも弾けずで諦めてしまったのだ。
私は地元でアルバイトをしていた。
ある日、昔から付き合いのある友達数人でオーストラリアに旅行に行くことになった。
オーストラリアはとても綺麗だった。
そこでまた私の新たな恋が始まった。
それは一緒に旅行をしていた同い年の男子だ。
(以降この男子のことはS君とする。)
このオーストラリアに行ったメンバーは昔から仲良しで、毎年夏休みなどの大型連休になると会っていた。
その中にS君も居たのである。
S君はその中でもかなり人気があったのだ。
私もS君のことは気になっていたのだが、私の友達がS君を狙っていたから私は身を引いていた。
だが、オーストラリアの帰りの飛行機でそれは起こったのである。
S君と席が隣になり、このメンバーの中で誰が一番人気があるかという話になった。
「男子の中ではS君だよね」という話をしていたのだが、S君が「女子の中ではお前だよ」と話し始めたのである。
そしてS君は「実は自分もお前が一番好きだ」ということを言ったのである。
私ももちろんS君が一番だということを伝えた。
お互いに地元は別だったのだが、会うたびに気にはなってたという感じである。
その後の飛行機では隠れて手を繋いでいた。
そしてその翌日、電話で告白され私たちは遠距離であったが付き合うことになったのである。
S君とK君
私は遠距離恋愛は初めてであった。
何かあったら連絡をしあうという感じだったが、どこか少しぎこちない感じもあった。
バイト帰りに電話をかけたりもしたが、なかなか会話は弾まなかったのである。
連絡を頻繁には取っていなかったため、少し不安になることが多かった。
S君は私のことをそんなに好きではないのではないか?と友達にも相談したが、解決はしなかった。
私はS君を信じることにしていた。
その数ヶ月後のことである。
なんと、K君から連絡が来た。
K君からの連絡は実に約3年ぶりであったのだ。
私は心臓が痛くなるほど驚いた。
バイトの休憩中に電話をした。
だがK君には彼女が居たのだ。
その彼女のお腹にはK君の子供もいたのだ。
そんなK君がなぜ私に連絡をしたのか、私はよく分からなかったが、ただただ嬉しかったのを鮮明に覚えている。
そしてその数日後に映画を見に行くことになった。
映画の日にはK君の家族も来ていた。
K君の家族はとてもいい人ばかりで、「元気だったか?」と声をかけてくれた。
映画が終わった後、K君を家まで送って行った。
その後公園で少し話をした。
K君と彼女とのことを聞いた。
K君は彼女とはいずれ別れようと思っているという話をしてくれた。
色々カミングアウトをしているうちに、私も今彼氏がいるという話をした。
そして、K君と別れた後ずっとK君を忘れられなかったという話もした。
K君は、「実はあの時(別れるとき)止めて欲しかった」ということを話し始めたのである。
私はずっと好きだったK君からそのようなことが聞けて嬉しかったのだ。
そして私は「もし私が彼(S君)と別れたら私と付き合ってくれるか」と聞いたのである。
K君は「自分にはやりたいこともあるし、今の彼女とも話をつけないといけないからすぐには無理だけど、付き合おう」と話してくれたのである。
この時私はS君には申し訳ないという気持ちもあったが、別れることを決意し、数日後にメールをし、別れたのである。
そこからはずっとK君と連絡を取り、付き合う日を心待ちにしていた。
たまに遊びに行ったりもしたのだが、ある日K君に彼女ができた。
私は信じられなかった。
そしてK君に連絡を取ったが、既読無視されるようになり、私はどうしていいか分からなくなった。
友達に相談したが、そんな奴こと忘れた方がいいとしか言われなかった。
私も、もういい加減諦めないといけないと思っていたのだがどうしても頭の片隅にはK君がいたのである。
そしてK君は、新しい彼女とはいつの間にか別れ、子供ができた彼女のよりを戻したのである。
この時に私はもういい加減にK君を諦めようと心に決めた。
K君からS君に。
実はS君とは別れる前に会う約束をしていたのだ。
昔からの仲良しメンバーにも会えるからということで、飛行機のキャンセルはしていなかったのだ。
そして私は気まずさもあったが、S君を含めた仲良しメンバーに会いに行くことにしたのだ。
それは去年のクリスマスの話である。
私はS君には最低のことをしたかもしれないが、自分のわがままでなんと復縁を申し込んだのだ。
今までのS君に別れを言った理由からその後何があったのかまで説明をしたのだ。
なんとS君は復縁を承諾してくれたのである。
信じられなかったがとても嬉しかった。
後日聞いたとこによると、S君が承諾してくれたのは、その場の雰囲気を壊さないようにしようという気持ちもあったという。
復縁をしてからは他の人に目移りすることなく、S君一筋であった。
そして私はS君と同じマンションに住むことを決めたのだ。
一緒のマンションに住み始めてからは毎日会うようになり、喧嘩もあったが仲良く過ごしていた。
ある日のことだ。
K君とのことを詳しく聞きたいと言われたのでその話をした。
S君はとても嫌な気分になったのだろう、LINEなどすべてブロックするよう要求してきたのである。
私には拒否する権利もなかったため、ブロックしたのだ。
その翌年に事件は起きたのである。
ある日突然友達から、K君が亡くなったということを聞いたのだ。
K君のお姉さんが私の連絡先を探しているということだったので、S君に許可をとり連絡先を教えた。
K君は自殺したという話だったのである。
信じられなかった。
彼女との子供も生まれ、幸せにしているものだと思っていたこともあり、とても驚いた。
だが、お姉さんの話によると、彼女とはあまりうまくいっていないようであった。
お姉さんが、
「K君は、あなたのことをとても大切にしていたし、あなたの気持ちに応えられなくて申し訳ないとも話していた。あなたはとても優しい子だと話していたよ」
と話していたことを言ってくれたのだ。
私の知らないところでそんなことを言ってくれていたのかと、私は涙した。
失恋に苦しんでいるあなたへ
私の同じような経験をしている人はもしかしたらいないかもしれないが、失恋を苦しんでいる方々はたくさんいると思うのだ。
私はK君との出会いと別れを決して後悔はしていない。
だが、K君の話をもっと親身になって聞いてあげたらよかったのではないかという後悔と、
S君に対する軽率な行動を反省しているのだ。
別れた彼に未練を引きずっているあなた。
未練を引きずるのは悪いことではないと思うのだ。
ただ、その元彼に情を抱きすぎたり、突然の連絡などに舞い上がりすぎて周りが見えなくなってしまうことが一番悪いことだと思うのだ。
ここで私が伝えたいのは、周りを見失うなということである。
大好きだった元彼がもしかしたらまた自分の元に…と思うと舞い上がってしまうのは良く分かるのだ。
だがそこで舞い上がりすぎず、しっかり周りの意見を聞きながら慎重に行動してほしいのだ。
元彼だけに視点を絞らないで、視野を広げてみてほしいのである。
そしたらきっと、もっといい人に出会えるのではないだろうか?